2025年5月28日

印刷業界に広がるバリアブル印刷の可能性 ~パーソナライズと効率化を実現する印刷手法とは~

 目次 

1.はじめに
2.バリアブル印刷とは
3.どのような情報を印刷できるのか
4.バリアブル印刷に必要な4つの要素
5.バリアブル印刷の活用事例

6.バリアブル印刷がもたらすメリット
7.バリアブル印刷と相性が良いツール「キュリア」のご紹介
8.まとめ

 

1. はじめに

近年、印刷業界では「パーソナライズ化」や「データ連携」による付加価値の提供が求められています。
その中でも注目を集めているのが「バリアブル印刷」です。

「自社でも対応できるのか?」と疑問を抱かれる方も多いかもしれません。
本記事では、印刷会社が今後取り組むべきバリアブル印刷について、基本的な仕組みから活用方法、
そして導入時のポイントを解説します。

 

 

2.バリアブル印刷とは

バリアブル印刷とは、1枚1枚の印刷物に異なる情報を印刷する技術のことを指します。
従来のオフセット印刷では同じ内容を大量に印刷しますが、バリアブル印刷は個別のデータを活用するため、
一人ひとりに最適な内容を届けることが可能です。

例えば、次のような項目を印刷物ごとに変えることができます。

・宛名(名前)
・住所や電話番号
・会員番号やシリアルナンバー
・バーコードやQRコード
・特典情報や割引コード

 

 

3.どのような情報を印刷できるのか

    バリアブル印刷は、以下のような個人別の情報を活用できます。

    顧客の名前や住所:DMや案内状に個別に記載することで開封率向上。
    ユニークコードやクーポン番号:1人1枚限定の特典配布が可能。
    可変QRコード(バリアブルQR):スキャンされたユーザーごとに異なる情報へ誘導し、効果測定も可能。

     

     

    4.バリアブル印刷に必要な4つの要素

    バリアブル印刷には以下の4つの要素が必要不可欠です。

    テンプレート

    デザインの中に「差し込みエリア」を用意し、そこに個別情報を挿入できるようにします。
    例:Aには名前、Bには住所、CにはQRコードを設定。

    データベース

    エクセルやCSVなど、可変情報が一覧でまとまっているデータが必要です。
    印刷内容の精度はこのデータの正確さに左右されます。

    専用ソフトウェア

    テンプレートとデータベースを連携させ、印刷用データを自動生成します。
    使用するソフトにより対応フォーマットや機能が異なります。

    デジタル印刷機

    バリアブル印刷はオンデマンドで処理されるため、デジタル印刷機が基本です。
    高精度かつ高速処理が求められます。

     

     

    5.バリアブル印刷の活用事例

    以下のようなシーンで、すでに多くの印刷会社が導入しています。

    ・DM・カタログ:個人情報や閲覧履歴に応じた情報を掲載。
    名刺:一括で100名分の異なる名刺を一度に印刷可能。
    抽選券・クーポン:QRコードに抽選機能を紐づけることで、当選確率の管理や不正防止も実現。

    バリアブルQRとの組み合わせにより、誰がいつ読み取ったかまで把握でき、紙媒体の施策にもデジタルな裏付けを与えられます。

     

     

    6.バリアブル印刷がもたらすメリット

    印刷会社にとって、バリアブル印刷は以下のような利点があります。

    高単価な案件を受注しやすい

    個別対応が必要なため、印刷単価が高くなる傾向があります。

    差別化につながる

    提案型営業が可能になり、他社との差別化ポイントになります。

    データを活用したマーケティング支援が可能

    QRコードを組み合わせることで、開封や反応率をデジタルに計測できます。

     

     

    7.バリアブル印刷と相性が良いツール「キュリア」のご紹介

    印刷物とデジタルを融合させたいとお考えの印刷会社様には、当社が提供するノーコードツール「キュリア」がおすすめです。

    キュリアは、スマートフォンで体験できるデジタルコンテンツを、誰でも簡単に作成できるツールです。
    20種類のテンプレートから選んで、抽選、クーポン、フォーム、フォトフレーム、スタンプラリーなどを
    自由に組み合わせて作成可能です。

    特に注目すべきは、背景画像が設定できるQRコード(デザインQR)です。
    この技術により、ブランドイメージを保ちつつ、読み取り精度の高いQRコードを印刷物に組み込むことができます。

    キュリアを活用することで、以下のような印刷ビジネスの強化が実現します。

    ・バリアブルQRの一括作成
    ・効果測定可能なQRコードの生成
    ・独自性のある印刷物の提供
    ・印刷物を起点としたデジタルキャンペーンの提案

    印刷業務の価値向上や、取引先への提案力強化に、ぜひご活用ください。

     

     

     

    8.まとめ

    バリアブル印刷は、単なる情報の印刷から「体験型メディア」へと進化するための第一歩です。
    個別に情報を届けられるという強みは、デジタル時代においてますます重視されます。

    印刷会社として、データを扱える体制を整えることが、今後の競争力につながります。
    「まだ対応していない」「興味はあるが何から始めればいいかわからない」という方は、
    ぜひこの機会に取り組みを検討してみてください。