2024年11月28日

地域活性化を実現する自治体集客について〜事例とノウハウを解説〜

 目次 

1.はじめに
2.自治体の集客における課題
3.自治体で行われる集客イベントの種類
4.自治体の集客イベント事例
5.集客のためのポイント
6.集客のための注意点
7.自治体での集客に役立つ「キュリア」のご紹介
8.まとめ

 

1. はじめに

地域の活性化や観光振興に取り組む自治体にとって、集客イベントは欠かせない重要な施策です。
地域住民と観光客を魅了するイベントは、自治体のブランド価値を高めるだけでなく、
地域経済を活性化させる強力な手段となります。

特に、近年ではデジタル技術を活用した新しい集客方法が注目を集めており、
限られた予算や人材でも効果的に成果を上げることが可能です。

本記事では、自治体が集客イベントを成功させるための具体的な方法を解説します。
これから集客イベントを企画する方にとって、参考となる具体的な内容をお伝えします。

 

 

2.自治体の集客における課題

  1.  Ⅰ.競争激化の中での差別化が求められる都市部の課題
     都市部では、集客イベントの競争が年々激化しています。
     同時期に開催される複数のイベントが互いに参加者を奪い合う中、他の企画と一線を画す独自性が求められます。

     例えば、新しい技術や話題性のあるテーマを取り入れたイベント、インフルエンサーとのコラボレーションなど、
     ターゲット層の心に響く企画が重要です。
     しかし、これらを実現するためには一定の予算が必要であり、その確保が課題となる自治体も少なくありません。

  2.  Ⅱ.地方に特有のアクセスの課題と解決策
     一方、地方ではアクセスの利便性が集客の大きなハードルとなります。
     主要駅や空港から遠い観光地では、訪問者が移動に時間を費やすため、来場者数を伸ばすのが困難です。
     これを解決するためには、地域限定のシャトルバスやツアープランを提供し、交通手段を整備することが重要です。

     また、オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドイベントを導入することで、
     現地に足を運べない層へのリーチを図る手法も有効です。

  3.  Ⅲ.多様なターゲット層への対応
     自治体が対象とするターゲット層は多岐にわたります。
     地元住民に対しては、地域への愛着を深めるような内容が重視される一方で、
     観光客には非日常体験や地域特有の魅力を提供することが求められます。

     さらに、家族連れ、若年層、シニア層など、年齢やライフスタイルに応じたイベント内容の工夫も必要です。
     これらを実現するためには、事前に詳細なマーケティング調査を行い、ターゲットのニーズを
     的確に把握することが重要です。

  4.  Ⅳ.予算とリソースの制約
     多くの自治体では、イベント運営に割ける予算や人材が限られています。
     そのため、効率的な運営が不可欠です。
     
     例えば、デジタルツールを活用することで人件費を削減し、プロモーション活動をオンラインで完結させる工夫が
     効果を発揮します。
     外部業者を活用する際には、コストパフォーマンスを重視しつつ、自治体独自の要望に柔軟に応える
     パートナーを選ぶことが成功の鍵です。

 

 

3.自治体で行われる集客イベントの種類

  1.  Ⅰ.観光促進を目的としたスタンプラリーやツアー企画
     観光客をターゲットにしたスタンプラリーやツアー企画は、多くの自治体で採用されています。
     特にデジタルスタンプラリーは、参加者がスマートフォンを活用して特定の観光スポットを巡る形式で、
     回遊性を高める効果があります。

     また、滞在時間が延びることにより、飲食店で食事を行い、地域のお店に人が訪れることで地域経済にも影響が出ます。
     このような企画は、観光地を訪れるきっかけを提供するとともに、地域全体の活性化に寄与します。

  2.  Ⅱ.文化や歴史をテーマにしたイベント
     地域特有の文化や歴史をテーマにしたイベントは、観光客と地元住民の双方を引きつけます。
     例えば、地域の伝統的な祭りや史跡を活用した企画は、その地域ならではの体験を提供します。
     また、これらのイベントは地元の芸術家や文化団体との連携を深め、地域コミュニティの絆を強化する役割も果たします。

  3.  Ⅲ.季節に特化した限定イベント
     季節ごとのイベントは、観光客にとって特別感を演出する絶好の機会です。
     夏の花火大会、秋の紅葉狩り、冬のイルミネーションなど、季節ごとの風物詩を取り入れた企画は
     多くの人々に親しまれています。

     例えば、冬季限定のライトアップイベントでは、来場者が撮影した写真がSNSで拡散されることで、
     観光地の認知度向上にもつながります。
     また、イベントを毎年継続することで、「◯◯といえばイルミネーション」のように季節の風物詩として広く認知され、
     その季節に土地を訪れたいと考える人の増加がますます期待されます。

 

 

4. 自治体の集客イベント事例

  1. Ⅰ.岡山県笠岡市「かさおか諸島スタンプラリー」

    企画の概要
    ・笠岡諸島6島にある10箇所のスポットを巡り、スタンプを2種類以上集めると抽選で地元特産品(7,000円相当)を70名にプレゼント
    ・スタンプを3種類以上集めると当選確率アップのWチャンスを設定

    結果
    ・デジタル応募: 約30名(応募総数の半数弱)
    ・アナログ応募: 詳細不明だが、デジタルと合わせて目標の70名を超える応募があった
    ・福岡県など遠方からの参加もあり、観光集客効果を達成
    ・デジタルツールの活用により、参加者の行動データを集計・分析することが可能になった
    ・応募フォームの自由コメント欄に「諸島間フェリーの1日フリーパス券」など、観光産業に役立つ提案が寄せられた

    この事例の詳細はこちら

  2. Ⅱ.新潟県新発田(しばた)市「城下町しばた全国雑煮合戦」

    企画の概要
    ・全国津々浦々のお雑煮を一同に集めたお雑煮のイベント
    ・2023年はアンケート、お雑煮の投票、スタンプラリーを実施
    ・2024年はアンケート、お雑煮の投票、抽選イベントを実施

    結果
    ・投票およびアンケートが非接触でスムーズに実施
    ・スタンプラリーで両会場への来場促進を達成
    ・非接触形式が多くの参加者に好評だった
    ・スタンプラリーのアナログ・デジタル併用が高齢者や子どもにも配慮されていると評価
    ・コイン投票方式に比べ、デジタルの方が集計時間が短縮(従来は1時間から約10分へ短縮)

    この事例の詳細はこちら

     

  3.  Ⅲ.北海道平取町(びらとりちょう)「平取町を知ってよキャンペーン」
     

    企画の概要
    ・平取町の知名度を測定し、魅力を広め、観光誘致を促進するために実施
    ・平取町民以外の人が対象
    ・平取町に関するアンケート回答者から抽選で特産品をプレゼント
    ・QRコードからキャンペーンサイトにアクセスし、アンケートフォームに回答
    ・SNS、新聞広告、雑誌広告、道の駅ポスターなど、多様な媒体を活用

    結果
    ・紙媒体: 約36%、SNS・HP: 約15%、テレビ: 約10%、マスメディアの影響力を再確認
    ・幅広い年代(10代~70代)がキャンペーンに参加
    ・男女ともに40代・50代が多かった
    ・寄せられた意見として、「平取町を初めて知った」「びらとり和牛の美味しさや再訪希望」「アイヌ資料館への興味」
     という意見があった
    ・自由回答への回答率が高かったため、参加者の平取町への関心の高さが伺えた

    この事例の詳細はこちら

     

  4.  Ⅳ.岩手県盛岡市「いわてまるごと科学・情報館」

    企画の概要
    ・イベントホールで科学に関する展示や教室やイベントを実施
    ・地域の組織や団体からのブース出展や講演も開催
    ・各ブースを回るデジタルスタンプラリーも実施

    結果
    ・イベントページやスタンプラリーのログを確認することで透明性が保たれた

    この事例の詳細はこちら


       

       

      5.集客のためのポイント

      1.  Ⅰ.ターゲットに応じた体験設計
         集客イベントを成功させるためには、まずターゲット層のニーズを明確にすることが重要です。
         例えば、地元住民向けには交流を重視したイベントや地域資源を活用した企画が求められます。

         一方で、観光客向けには、その土地ならではの特産品や歴史を取り入れた内容が効果的です。
         特に若年層を対象とする場合は、デジタル要素やSNS映えを意識した設計が鍵となります。
         反対に、子どもや年配層をターゲットとする場合は、紙などのアナログ形式を加えることが大切です。

      2.  Ⅱ.デジタルツールを効果的に活用
         スマートフォンを活用したデジタルスタンプラリーや抽選機能は、参加者の興味を引きつけるだけでなく、
         運営コストの削減にも寄与します。
         さらに、QRコードやフォトフレーム機能を組み合わせることで、SNSでの拡散が期待でき、
         自治体のプロモーション効果を飛躍的に高めることができます。

      3.  Ⅲ.データ活用で次回施策を改善
         イベント終了後に収集したデータを分析することで、次回以降の施策を改善する材料を得ることが可能です。
         例えば、どのコンテンツが最も参加者の関心を引いたのか、どのルートが多く利用されたのかを把握することで、
         より効果的なイベント設計ができます。

       

       

      6.集客のための注意点

      1.  Ⅰ.事前準備を徹底し、トラブルを未然に防ぐ
         イベント運営では、通信環境の整備や必要な機材の準備など、細部にわたる事前準備が重要です。
         特にデジタルツールを活用する場合には、システムの動作確認を十分に行い、当日のトラブルを防ぐことが求められます。

      2.  Ⅱ.コスト管理の重要性
         予算を効率的に活用するためには、支出項目を事前に整理し、必要性を精査することが不可欠です。
         プロモーション活動には十分な費用を確保しつつ、無駄な出費を最小限に抑える工夫が必要です。

      3.  Ⅲ.参加者視点の設計
         参加者が迷わずに楽しめるよう、わかりやすい案内表示や簡単な参加プロセスを設けることが重要です。
         特に、初めて地域を訪れる観光客に対しては、親切で詳細な情報提供が満足度を向上させます。

         

         

        7. 自治体での集客に役立つ「キュリア」のご紹介

         

        キュリアは、自治体の集客イベントを効果的に支援するデジタルツールです。
        ノーコードで簡単に操作でき、スタンプラリーや抽選機能、フォトフレーム機能、フォーム機能を組み合わせることで、
        多様なイベントに対応可能です。

        上記でご紹介した事例では、キュリアの活用により、低コストで大規模な集客効果を実現しました。

        また、イベントページのPV数、スタンプラリーの参加者ログ、抽選回数の集計など、
        デジタルを活用することで得られた定量的なデータも、自治体の方に喜んでいただきました。
        さらに、アンケートフォームから得られた定性的なデータも今後のイベントのヒントや活用アイデアの収集に役立っています。

         

         

        8.まとめ

        自治体が集客イベントを成功させるには、ターゲット層のニーズに合わせた企画とデジタルツールの活用が重要です。
        デジタルツールを導入することで、効率的かつ効果的なイベント運営が可能となり、地域の魅力を最大限に
        発信することができます。

        アナログとデジタルの活用の棲み分けを行いながら、自治体に足を運んでくれた人の思い出に残るようなイベントを
        企画していってください。