印刷会社必見!価格戦略で差をつけるダイナミックプライシングの実践術
印刷業界において、日々の業務の中で「価格設定」は避けて通れないテーマです。
特に繁忙期と閑散期の差が大きいこの業界では、収益の安定や向上を図るために、
戦略的な価格運用がますます重要となっています。
そんな中、注目を集めているのが「ダイナミックプライシング」という考え方です。
これは、需要と供給の状況に応じて価格を柔軟に変化させる手法で、航空業界やホテル業界ではすでに一般化されています。
本記事では、このダイナミックプライシングを印刷業界でどのように活用できるのか、具体的な事例を交えてご紹介します。
ダイナミックプライシングとは、特定の条件やタイミングによって価格を調整する価格戦略のことを指します。
予約の時期や残数、需要の高さに応じて価格が上下する航空券やホテルの料金は、その代表例です。
従来の固定価格制とは異なり、変動型であることで収益の最適化を図れるのが特徴です。
印刷業界でも納期の短縮、受注時期、注文ボリュームなどに応じて価格を変動させることで、利益向上を狙うことができます。
印刷業界においても、ダイナミックプライシングの考え方は徐々に浸透しつつあります。
「短納期割増」や「即日対応料金」といった形式で、すでに一部の価格が可変である事例も多く見られます。
しかし、それらはあくまでも部分的な導入にとどまり、戦略的に収益性を最大化する体制が整っている企業は
まだ少ないのが現状です。
ダイナミックプライシングを本格的に取り入れることで、収益の平準化、外注費の削減、スタッフの稼働最適化など、
さまざまな恩恵を受けることが可能になります。
「即日仕上げで+〇円」というような単純な特急料金設定ではなく、「1日短縮ごとに+〇円」といった細分化が効果的です。
例えば「通常納期が5営業日」の案件に対して、4日・3日・2日と段階的に追加料金を設定することで、
顧客は納期と価格を天秤にかけて選択できるようになります。
こうした設定により、必要な対応に対する適正な対価を得ることができ、収益性が向上します。
印刷業界では、年度末や年始に繁忙期が集中する一方で、夏場や年明けすぐは受注が減少する傾向にあります。
この閑散期に対し、価格の引き下げだけでなく、「割引+特典」の形で付加価値を加えることが有効です。
例えば「1,000部以上の注文で送料無料」「追加1色刷り無料」など、価格以上の魅力を提供することで、
価格競争に巻き込まれずに販促を実現できます。
印刷機や加工機が稼働していない時間帯に、限定価格を設けるという考え方も有効です。
具体的には「夜間入稿で割引」「木曜入稿は5%オフ」など、設備の稼働率が低い時間帯にオーダーを促す仕組みです。
これにより、稼働のムラを無くし、固定費の無駄を減らすことができ、利益体質の強化につながります。
企業間取引では、取引履歴や注文頻度、エリア、業種などに応じて価格を調整するのもダイナミックプライシングの一環です。
例えば、「月に3件以上注文がある顧客には10%オフ」「同一デザインの定期印刷には割引適用」など、
ロイヤリティに応じた価格戦略が可能です。
一方で、すべての顧客に対して公平である必要があるため、価格変更のルールは明示し、透明性を保つことが重要です。
印刷業界における販促支援ツールとして注目されているのが、スマートフォンコンテンツ作成ツール「キュリア」です。
キュリアは、抽選、スタンプラリー、スロット、フォトフレーム、フォーム、クーポンなど、
20種類以上のスマートフォン向けコンテンツを誰でも簡単に作成できるノーコードツールです。
さらに、特徴的なのが「背景画像が設定可能なQRコード(デザインQR)」の作成ができる点です。
ブランドイメージを反映させたQRコードで、集客効果を高めたり、印刷物との相乗効果も狙えます。
また、デジタル抽選との組み合わせで来場促進や反響測定も簡単に行えます。
導入企業からは「短納期でキャンペーンを立ち上げられた」「自社で制作できたのでコスト削減につながった」など、
高い評価を得ています。
価格設定の自由度を持たせる「ダイナミックプライシング」は、印刷業界でも着実に成果を出す戦略となり得ます。
繁忙期の対応強化、閑散期の販促、設備の有効活用、顧客ごとの適正価格の設定など、実践できるポイントは多岐にわたります。
まずは、自社の得意とする領域から導入し、少しずつ範囲を広げていくことで、競争力と収益力の向上が見込めます。
価格だけに頼らない付加価値の提供と、仕組みの工夫で、これからの印刷業界を共に前進させていきましょう。