2024年11月7日

商業施設の集客を増やす方法〜デジタルツールの活用と効果的な施策〜

 目次 

1.はじめに
2.商業施設の集客における課題
3.商業施設で行われる集客イベントの種類
4.商業施設での集客イベント事例
5.集客のためのポイント
6.集客のための注意点
7.キャンペーン支援ツール「キュリア」の活用
8.まとめ

 

1. はじめに

商業施設にとって、お客様を集めるための施策は、
店舗の売上やブランドイメージに直結する重要な要素です。
近年、広告だけではなく、スマートフォンを活用したデジタルツールやイベントが
集客方法として注目されています。
特に、家族連れや若い世代をターゲットにしたデジタルスタンプラリーや抽選会などは、
お客様の体験価値を高める有効な手段です。

本記事では、商業施設における集客方法、イベントの種類、
さらに成功させるためのポイントと注意点について詳しく解説します。

 

 

2.商業施設の集客における課題

商業施設の集客にはいくつかの課題があります。
競合施設が多い都市部では、ターゲットとなるお客様を引き付け、さらにリピーターとしてつなげるための工夫が求められます。
また、来館者の層が広範囲にわたることから、それぞれのニーズに対応したプロモーションが必要です。

  1.  Ⅰ.競合施設との競争
     他の商業施設との差別化が重要です。
     独自の体験や魅力を提供することで、競合との差別化を図ります。

  2.  Ⅱ.広範囲のターゲット層
     家族連れ、学生、シニア層など、様々な層に対応する集客施策が求められます。

  3.  Ⅲ.広告効果の不透明さ
     従来の紙媒体や看板広告では、効果測定が難しいという課題があります。

  4.  Ⅳ.お客様のリピート率の低下
     一度来店したお客様をリピーターにするための戦略が欠かせません。

 

 

3.商業施設で行われる集客イベントの種類

集客を強化するためには、さまざまなイベントを開催することが有効です。
以下のイベントは、特定の季節やターゲット層に合わせてカスタマイズが可能です。

抽選会・福引イベント

商業施設で定番の集客イベントは、「抽選会」や「福引」です。
一定額の買い物をしたお客様に抽選参加券を配布し、施設内で使えるクーポンや電化製品が当たる形式が人気です。
また、スマートフォンを活用したデジタル抽選システムも導入され、
お客様はQRコードを読み取って瞬時に結果を確認できます。
これにより、行列や抽選に関する景品の受け渡しなどの運営が効率化され、
人件費の削減やスムーズな運営につながります。

 

スタンプラリー・クイズラリーイベント

商業施設内を回遊させるイベントとしてスタンプラリーやクイズラリーがあります。
施設内の決められた場所を回遊させられるため、参加者の滞在時間が延び、
フードコートやレストランで食事をしてもらえる、という期待が持てます。

紙のスタンプラリーは老若男女参加できるのに加え、
スタンプ台紙を持ち歩くのでイベントに参加しているか否かがひと目で見てわかります。
一方、何名の人が参加しているか、途中でスタンプラリーをやめてしまった人が
何人いるか、というログを取ることが難しいというデメリットもあります。

デジタルスタンプラリーの場合、スタンプの収集状況や参加者の動向を
リアルタイムで把握できる点はデジタルならではの利点です。

 

フォトフレーム・写真撮影イベント

お客様に写真撮影を促すフォトフレームイベントは、商業施設に来た思い出を残したり、
写真をSNSに投稿して拡散される効果や広報としての効果を生み出すために効果的です。
季節のテーマや施設のオリジナルキャラクターを使ったフォトフレームを用意することで、家族や友人と楽しく思い出を残せます。

 

キッズ向けワークショップ

家族連れをターゲットにしたキッズ向けワークショップは、ゴールデンウィークや
夏休みや年末年始などの長期休暇や土日など休日の集客に効果的です。
子どもが楽しめる手作り体験や、季節に合わせた工作イベントを通じて、親子での来場を促します。
ワークショップ終了前後には、施設内での飲食やショッピングにつながるため、経済効果も期待できます。

物産展

地域の特産品や限定の食品類を販売する物産展では、気軽に行きづらい
都道府県のものを手に入れられるので、思わず財布の紐がゆるんでしまう企画の一つです。
その地域への関心を高めるとともに、お客様の集客効果を向上させることができます。

期間限定イベント

夏はアイスやかき氷、秋冬は焼き芋など、季節に応じた期間限定のイベントを催すことで、
商業施設に足を運ぶきっかけになります。
また、季節に関係なく台湾フェスや韓国フェスなど、海外の料理や文化に触れ合えるイベントも人気です。

ミニライブ・トークショー

アイドルのミニライブや本の出版記念イベントなど、ファンを集めるのに有効な企画も集客に効果的です。
事前申込・抽選制にしておくことで、人が溢れかえって他のお客様の迷惑に
ならないように、運営方法を工夫する準備ができます。
また、出演者側も自分たちのことを知ってもらうきっかけになるので、
人が多く集まりやすい商業施設でイベントを行うことは両者にとってメリットがあります。

 

 

4. 商業施設での集客イベント事例

実際に商業施設で行われた集客イベントの例をいくつかご紹介します。

西武飯能ペペと西武入間ペペでの抽選会での活用

西武飯能ペペでの抽選会
・西武飯能ペペで、2,000円以上の買い物をしたお客様にQRコード付きの抽選券を配布。

・スマートフォンでQRコードから抽選を実施し、当選者が景品を交換。

・抽選後のアンケートを任意で実施し、約600名が回答。

・2,000円以上の購入条件が一部で参加のハードルとなった可能性があるが、当選者の景品引き換え率は100%。

・アンケート結果で次回の抽選方法の希望を聞いたところ、「スマホでの抽選」が最も支持された。

 

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西武飯能ペペと西武入間ペペでの抽選会
・飯能ペペでの抽選会が好評を得たため、飯能ペペと入間ペペの合同企画として再採用。

・開催期間を以前より長くし、10月10日から31日まで実施。地域特性に合わせたポスターデザインを作成。

・デジタルに慣れていない年齢層にもスマホ企画を体験してもらう目的で進行。

・2,000円以上の買い物をしたお客様にQRコード付きの抽選券を配布し、スマホでのガチャ抽選を実施。

・「ハズレでも特典がないとがっかりする」という前回の声を反映し、ハズレでもポケットティッシュが当たる仕組みを導入。


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京都河原町ガーデンでの夏と冬の抽選会での活用

2022年SUMMER大抽選会
京都河原町ガーデンで、日頃の感謝を込めた2022年SUMMER大抽選会を実施。

・対象期間中に購入したお客様に抽選券を配布し、抽選期間中にイベントスペースでタブレットを使用してガチャを回す形式。

・抽選結果に応じて商品券や食事券が当たる仕組み。

・参加者は約4,000組で、3日間でガチャの回転数は20,000回を超え、コロナ前の2019年の結果を上回る。

・夏休み期間中で家族連れにも好評だった。

 

クリスマスプレゼントキャンペーン
以前のSUMMER大抽選会と同様に、お客様への還元を目的にしたイベントだが、完全オンラインで実施。

・オフライン時にかかっていた人件費を削減し、その分景品を豪華に。

・対象店舗で1,000円購入ごとに抽選券を配布し、QRコードを使ってオンラインで応募可能に。

・応募は3つのコースから選べ、A〜H賞の8種類の景品を用意。
 また、応募口数に関わらず割引クーポンも提供。

・応募フォームはコースごとに8つ作成し、各ページのデザインを工夫してわかりやすくした。

・約20日間の応募期間で14,800人が応募し、SUMMER大抽選会の3倍以上の成果を達成。

・オンライン化により、場所を問わず参加できる利便性が功を奏した。

 

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Ⅲ. 新規オープンの商業施設でレシートキャンペーンでの活用

・商業施設内の全テナントを対象に、レシートを使用した応募イベントを実施。

・商業施設側の課題として、従来の紙ベースの応募方法は、レシートを紙台紙に貼り付け、
 応募箱に投函する手間があり、運営工数が増加。

・複数のレシートを確認する作業や、紙応募のデータをデジタル入力する必要があり、時間と手間がかかる。

・お客様側の課題として、レシートを貼る手間や、応募期限を過ぎてしまう、キャンペーンを忘れてしまうといった問題が発生。

・ポスティングによる応募シートの数に限りがあり、参加が制限される。

・企画内容として、デジタルの応募フォームを活用し、スマホで簡単に参加できる方法を導入。

・参加者はレシートを撮影し、応募フォームに情報を入力して画像を添付するだけで応募完了。

・応募後、抽選で当選者に景品を発送。

・2週間のイベントで約500名以上の参加者を獲得。

・商業施設へのアンケートも実施し、今後のイベントやタイムセールの改善に役立つフィードバックを得た。

 

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Ⅳ.イオンモールでのキャンペーン、フロアマップでの活用

キャンペーンサイト
・季節のイベントに合わせたスマホ向けのキャンペーンページを制作。

・ページをリンクさせ、イベント情報などを簡単に連携した。

 

フロアマップと館内掲示ポスター
・QRコードやNFCを設置し、スマホサイトで作成したマップを確認可能に。

・紙のフロアマップの削減に成功。

・全てをデジタル化するのは難しいため、印刷物とデジタルを組み合わせたQRコードからのアクセス方法を採用。

 

その他の活用事例
・商業施設での飲食メニュー人気投票イベントにもデジタルを採用。

・投票はデジタルフォームと紙の用紙の2種類で実施した

・20代の若者が紙投票を好み、40〜50代がスマホ投票を多く利用するという予想外の結果を得た。

 

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      5.集客のためのポイント

      集客イベントを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

      1.  Ⅰ. ターゲットの明確化
         まず、どの層をターゲットにしているかを明確にすることが重要です。
         例えば、家族連れにはキッズ向けイベント、若者にはSNS連携のキャンペーンなど、
         各ターゲットに適した内容を提供することが集客の成功につながります。

      2.  Ⅱ. デジタルツールの活用
         デジタル抽選やスタンプラリーは、お客様にとって参加しやすい仕組みです。
         運営側はデータ収集とマーケティング分析が可能であり、次回以降のプロモーションにも活用できます。

      3.  Ⅲ. オリジナリティのある企画
         他の施設との差別化を図るために、施設独自のオリジナルキャラクターや地域特産品を使ったイベントを展開しましょう。
         オリジナリティがある企画は、施設のブランドイメージ強化にもつながります。

       

       

      6.集客のための注意点

      アナログ集客の注意点

      1.  a.ターゲットに合わせたプロモーションの設計
         配布するチラシやポスター、イベントの内容はターゲットに合わせたものにしましょう。
         例えば、ファミリー層向けには親子で楽しめるイベント、高齢者向けには手軽に
         参加できる内容が効果的です。

      2.  b.コストと効果のバランス
         チラシ配布やイベント開催にはコストがかかるため、予算と見込まれる効果をしっかりと見極めることが大切です。
         費用対効果を考えながら、適切な規模で実施することが求められます。

      3.  c.スタッフの配置とオペレーション
         イベントやキャンペーンを行う際には、スタッフの対応力や説明力が重要になります。
         特に、イベントスペースでの誘導や説明が不十分だと、
         お客様がうまく参加できなかったり、満足度の低下につながります。
         事前の教育やオペレーションの準備をしっかり行いましょう。

      4.  d.参加しやすさの配慮
         レシートを貼り付けて応募する形式や、紙ベースの応募方法の場合、参加者が手間を感じないような工夫が必要です。
         例えば、応募用紙を簡単に手に入れられる場所に配置する、投函場所を複数設けるなど、
         参加のハードルを下げることがポイントです。

      5.  e.キャンペーンの告知期間とリマインド
         忘れられないように、キャンペーンの告知は期間中に繰り返し行うことが重要です。
         特にアナログの場合は、リーフレットや館内放送、掲示物などで定期的にリマインドを行い、
         参加者の記憶に残すことを意識しましょう。

      デジタル集客の注意点

      1.  a.ターゲット層のデジタルリテラシーを把握
         年齢層や地域性によってデジタルツールの利用度が異なるため、ターゲットがどの程度
         デジタルに慣れているかを理解することが重要です。
         特に高齢者向けには、簡単な操作で参加できるよう配慮が必要です。

      2.  b.シンプルで直感的なUI/UX
         スマートフォンやウェブを使ったキャンペーンは、誰でも簡単に理解できるデザインと操作性が求められます。
         参加方法や応募方法が複雑だと離脱率が高くなり、効果が半減してしまいます。

      3.  c.個人情報の保護
         応募フォームやアンケートで個人情報を収集する場合、プライバシーポリシーを明示し、
         適切な管理を行うことが必要です。
         これにより、お客様の信頼を維持できます。

      4.  d.リアルタイムでの対応とフォローアップ
         SNSやキャンペーンサイトを利用した場合、問い合わせやトラブルに対して迅速な対応が求められます。
         お客様の反応をすぐにフォローアップできる体制を整えておくことが大切です。

      5.  e.プロモーションの周知方法
         デジタルキャンペーンを実施する際、どのようにその存在をお客様に知らせるかも重要です。
         例えば、施設内ポスターやチラシを使ってデジタルキャンペーンのQRコードを配布するなど、
         オンラインとオフラインを連動させる工夫が効果的です。

         

         

        7. キャンペーン支援ツール「キュリア」の活用

         

        キュリアは、専門知識が不要のノーコードで、スマートフォン向けのデジタルコンテンツを簡単に作成できるツールです。
        商業施設の集客施策として、デジタル抽選、スタンプラリー、フォトフレームなどのコンテンツが簡単に作成できます。

        また、イベントの告知をするためのキャンペーンページも画像とテキストで作成したり、コンテンツのログが集計できます。
        デジタルを活用した企画に不安がある方、これまでデジタルで同様の企画を実施したけど
        効果測定が不十分だった方にもおすすめです。

         

         

        8.まとめ

        商業施設の集客には、ターゲットに応じたツール選定や、イベントを活用したプロモーションが不可欠です。
        ターゲットを明確にし、参加しやすいイベントを企画することで、集客効果を高めていきましょう。