印刷会社が今注目すべき「BPO」ビジネスとは?未来に向けた事業拡張のヒント
近年、印刷業界では「仕事の単価が下がっている」「印刷需要が減少している」といった声を耳にすることが増えています。
そのような中、新たな活路として注目されているのが「BPO(業務プロセスアウトソーシング)」です。
BPOは単なるコスト削減手段ではなく、新しい顧客接点や継続的な収益源を生み出す可能性を秘めた手段です。
特に印刷会社がこれまでに培ってきた業務ノウハウや対応力を活かせる領域でもあり、大きな成長余地があります。
本記事では、印刷業界におけるBPOの可能性と、その導入に向けた具体的なアプローチをご紹介します。
BPOとは、企業が業務の一部を外部の専門業者に委託する仕組みのことを指します。
例えば、顧客対応のコールセンター業務や給与計算業務などが該当しますが、実は「印刷」もその一部と捉えることができます。
大手印刷会社であるTOPPANや大日本印刷も、もともとは伝票印刷や帳票印刷といった業務からスタートし、
現在では事務処理代行やデータ入力、封入封緘業務などへとBPO領域を拡大しています。
印刷業務の延長として、データの収集・加工・管理、そして発送といった業務まで一貫して対応できる体制が整えば、
クライアントからの信頼と受注範囲は大きく広がります。
印刷会社が新たに手がけやすいBPO業務には以下のようなものがあります。
キャンペーンの応募受付、問い合わせ対応、アンケート集計などを含む一連の業務を代行。
印刷から封入、発送、配送手配までワンストップで対応可能。
書類のスキャン、電子データ化、分類・保管といった業務も印刷業のスキルが活かせる領域です。
印刷という「モノを作る力」を、業務代行という「サービス」に応用することで、より高い付加価値を生み出すことができます。
BPOの需要が年々高まっている背景には、深刻化する人手不足の問題があります。
特に日本では、2030年には人口の3分の1が65歳以上になるという予測もあり、
企業にとって人材の確保と効率化は喫緊の課題です。
このような中、社内で完結していた業務を外部に委託する動きが強まり、書類整理や発送業務、
顧客対応といった定型作業のBPO化が加速しています。
印刷会社がこうしたニーズに対応できるようになることで、価格競争に巻き込まれにくい、
安定的な収益源の確保が可能となります。
ある印刷会社では、イベント後のアンケート回収と集計を依頼されたことをきっかけに、
Excelを使ったレポート作成業務まで手がけるようになりました。
この業務は、特別な技術を必要とせず、既存のスタッフでも対応可能な内容でしたが、
クライアントからは「ワンストップでお願いできて助かる」と高い評価を得たとのことです。
結果として、その後も定期的にイベント業務を受注することができ、印刷業務以外の新たな売上として確立されました。
印刷会社がBPOに取り組むことで得られるメリットは以下の通りです。
印刷業務に加えた業務対応により、「印刷だけの会社」から「業務全体を任せられるパートナー」へと信頼度が向上します。
事務作業のBPOは継続案件になりやすく、単価設定もしやすいため、利益率の向上につながります。
定型的なBPO業務は、将来的に自動化・システム化の対象となり、新たなクラウドサービスや
ノウハウ提供型の事業への展開も見込めます。
印刷会社がデジタル領域へスムーズに展開するためのサポートツールとして、
ノーコードで使えるスマートフォン向けコンテンツ作成ツール「キュリア」の活用がおすすめです。
キュリアを使えば、イベント用の抽選コンテンツ、クーポン配布、アンケート、スタンプラリーなど、
20種類のテンプレートをもとに簡単にコンテンツを作成できます。
クラウド型で管理も簡単、仕様変更にも即時対応でき、外注費の削減やスピーディーな導入を実現します。
また、背景画像を設定できるオリジナルQRコード(デザインQR)を作成できるため、ブランドイメージを強化しながら、
セキュリティ対策や不正防止にも役立ちます。
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印刷需要が変化する今、既存の事業基盤を活かしつつ新しい事業領域へ挑戦することは、
印刷会社の将来にとって非常に意義のあることです。
BPO業務は、印刷業界が持つ強みをそのまま活かせる分野であり、今後の社会構造を見据えたときに
「不可欠なサービス」としての価値が高まることは間違いありません。
まずは小さな業務からでも始めてみる。そうした一歩が、数年後の大きな成果へとつながるかもしれません。