2025年11月28日

WEBサイトがあるのになぜLPが必要?クライアントを納得させる提案の作り方

 目次 

1.はじめに
2.なぜ今、LPが必要なのか
3.WEBサイト、PDF、電子ブックとLPの決定的な違い
4.クライアントが納得しないのはなぜか
5.成果が出るLPと出ないLPの違い
6.LP制作の費用課題をどう解決するか
7.クライアントへの提案で使える説明の型
8.まとめ

 

1. はじめに

キャンペーンの企画書を提出したら、クライアントから「WEBサイトがあるのに、なぜ別にLPが必要なのか」
「PDFや電子ブックではダメなのか」と質問された経験はありませんか。

LP制作の見積もりを出したら「高い」と言われ、WEBサイトの一部ページで代用できないかと提案されることもあるでしょう。

この記事では、LPの必要性をクライアントに納得してもらうための説明方法と、制作費用の課題を解決する方法を解説します。

 

 

2.なぜ今、LPが必要なのか

LPの必要性を説明するためには、まずLPが果たす役割を正しく理解する必要があります。

LPの役割とは何か

LPは資料請求や申し込みなど、特定の行動を起こしてもらうための専用ページです。
一般的なWEBサイトは情報提供が目的ですが、LPは行動喚起が目的となっています。

この目的の違いが、構成やデザインの違いを生み出しているのです。
WEBサイトは会社案内や製品紹介、採用情報などを幅広く伝えるために複数のページで構成されています。

一方、LPは一つの商品やサービスに特化し、購入や申し込みという一つのゴールに向けてユーザーを誘導する構造になっています。

LPが必要とされる具体的な場面

LPが特に効果を発揮するのは、以下のような場面です。

期間限定のキャンペーンを実施するときには、キャンペーン情報を集中的に訴求し、期間内に行動を促す必要があります。

新商品やサービスを集中的に訴求したいときにも、その商品の魅力だけを伝えるページが有効です。

広告からの流入を受け止めるときは、広告で伝えたメッセージとLPの内容を一致させることで、ユーザーの期待に応えることができます。

QRコードから誘導した先で確実に行動を促したいときも、スマートフォンに最適化されたLPが必要となります。

LP導入による成果の例

実際にLPを最適化した企業では、改善前と比べて申し込み率が2倍から3倍に向上した事例が報告されています。

広告費用対効果についても、LP導入前と比較して改善したケースが多く見られます。

数値で成果を示すことができる点も、LPの大きな特徴です。

WEBサイトでは複数のページにユーザーが分散するため、どのページが購入につながったのか特定しにくい場合がありますが、LPは一つのページで完結するため、効果測定が明確に行えます。

LP(ランディングページ)とは?効果的な構成や簡単に作成できるツールもご紹介では、LPの基本的な構成や効果的な作り方について詳しく解説しています。

 

 

3.WEBサイト、PDF、電子ブックとLPの決定的な違い

LP・WEBサイト・PDF・電子ブック 比較

WEBサイトとLPの違い

WEBサイトは回遊させることが前提の設計になっています。
トップページから製品紹介ページ、会社概要ページ、採用ページなど、複数のページを行き来しながら情報を得る構造です。
LPは一つの行動に集中させる設計になっています。

ページの最上部から最下部まで、一つの流れでストーリーを伝え、最後に申し込みボタンや購入ボタンを配置する構造です。
情報の配置、導線、ページ構成が根本的に異なるため、WEBサイトの一部ページでLPの役割を代用することは困難です。

WEBサイトには他のページへのリンクが多数存在するため、ユーザーの注意が分散してしまいます。
LPは他のページへのリンクを極力減らし、一つの行動に集中させる設計になっているのです。

PDFとLPの違い

PDFは印刷物のデジタル版であり、閲覧がゴールです。
資料として配布することや、後から見返すことを想定した形式となっています。

LPは閲覧の先にある行動、つまり申し込みや購入などがゴールです。
PDFにはボタンのクリック動線や行動分析ができません。

LPではどのボタンがクリックされたか、どこまでスクロールされたかといったデータを取得でき、改善に活用することができます。
スマートフォンでの閲覧性や操作性にも大きな違いがあります。

PDFはスマートフォンで見ると文字が小さく読みにくい場合が多く、拡大や縮小の操作が必要になります。
LPはスマートフォンでの閲覧に最適化されており、指でタップしやすいボタンサイズや、読みやすい文字サイズで設計されています。

電子ブックとLPの違い

電子ブックはページをめくる体験の提供が目的です。
カタログや雑誌のような見せ方で、複数のページを順番に見ていく形式になっています。

LPは最短距離で行動に導くことが目的です。
縦長の一枚のページで、スクロールするだけで情報を得られる設計になっています。

情報の見せ方と目的が異なるため、電子ブックでLPの代わりをすることはできません。
電子ブックはページを戻したり進めたりする操作が必要ですが、LPはスクロールだけで完結します。

それぞれのツールを使い分ける基準

カタログや資料として配布したいならPDFや電子ブックが適しています。
購買や申し込みなど具体的な行動を促したいならLPが最適です。

企業情報や幅広い情報を提供したいならWEBサイトを活用します。
それぞれのツールには明確な役割があり、目的に応じて使い分けることが重要です。

 

 

4.クライアントが納得しないのはなぜか

LP制作の提案に対してクライアントが納得しない理由を理解することで、効果的な説明ができるようになります。

制作費用が高いと感じる理由

LP制作の工数や専門性が見えにくいことが、費用が高いと感じる大きな理由です。
一枚のページに見えるため、WEBサイトより簡単だと誤解されやすい傾向があります。

実際には、LP制作にはターゲット分析、競合調査、メッセージ設計、デザイン、コーディング、テストなど多くの工程が必要です。
外注費用の内訳が理解されていないことも、納得しにくい要因となっています。

LP制作の費用相場は10万円から60万円以上まで幅がありますが、これは依頼する制作範囲によって変動します。
企画や構成、原稿作成、デザイン、コーディング、公開後の調整まで含めると、それなりの費用が必要になります。

過去の失敗体験が影響している場合

LPを作ったが成果が出なかった経験がある企業は、LP自体に不信感を持っている場合があります。
失敗の原因が特定されていないため、「LPは効果がない」という結論に至ってしまうのです。

実は失敗の原因はLP以外にある可能性が高いのですが、その検証がされていないことが多くあります。

例えば、LPへの導線となる広告のターゲット設定が適切でなかった場合や、キャンペーンの内容自体に魅力がなかった場合なども、成果が出ない原因となります。

成果が見えないことへの不安

LPを作っても本当に売れるのか信じられないという不安も、納得しにくい理由の一つです。
投資対効果が見えないため、費用を承認しづらいという心理が働きます。

この不安を解消するためには、具体的な数値や事例を示すことが有効です。
同業種や類似商品での成功事例、コンバージョン率の目安、投資回収の期間などを提示することで、納得を得やすくなります。

 

 

5.成果が出るLPと出ないLPの違い

過去の失敗を払拭するためには、成果が出るLPの条件を明確に伝える必要があります。

成果が出なかった原因を分析する

LPで成果が出なかった原因は、大きく分けて4つのパターンがあります。

LP自体の問題として、構成やデザイン、メッセージに課題がある場合です。
ターゲットが不明確で、誰にも響かないコンテンツになっていたり、訴求ポイントがずれていたりすることがあります。

導線の問題として、広告やQRコード、SNSからの流入設計に課題がある場合です。
広告のメッセージとLPの内容が一致していないと、ユーザーは期待外れと感じて離脱してしまいます。

目的設定の問題として、何を成果とするかが曖昧だった場合です。
資料請求を目的とするのか、購入を目的とするのかによって、LPの構成は大きく変わります。

運用の問題として、公開後の改善や修正をしなかった場合です。
LPは作って終わりではなく、データを見ながら継続的に改善していく必要があります。

成果が出るLPの条件

成果が出るLPには、いくつかの共通する条件があります。
ターゲットが明確であることが、最も重要な条件です。

誰に向けて何を伝えるのかが明確になっていれば、メッセージも訴求方法も自然と決まってきます。
訴求メッセージが具体的で魅力的であることも重要です。

抽象的な表現ではなく、ユーザーにとってのメリットが明確に伝わる表現を使う必要があります。
行動を促すボタンや導線が最適化されていることも条件の一つです。

ボタンの色、位置、文言によって、クリック率は大きく変わります。
スマートフォンでの閲覧に対応していることも、現代のLPには必須の条件です。

多くのユーザーがスマートフォンから流入するため、スマートフォンでの見やすさや操作性を最優先に考える必要があります。
公開後も改善を続けられる体制があることが、長期的な成果につながります。

LPは作って終わりではない

LPの効果を最大化するためには、データを見ながら改善していくことが前提となります。

どの部分で離脱が多いのか、どのボタンがクリックされているのかといったデータを分析し、
仮説を立てて改善を繰り返すことで、コンバージョン率は向上していきます。

ABテストや修正が行える環境が重要です。
ABテストとは、異なる複数のパターンを用意して、どちらが効果的かを検証する手法です。

見出しの文言を変えたり、ボタンの色を変えたりして、どちらがより多くのクリックを獲得できるかを測定します。
外注の場合、修正のたびに費用が発生する課題があります。

初回制作費用とは別に、修正費用が都度かかると、トータルコストが想定以上に膨らむ可能性があります。

ランディングページ改善運用について詳しく知りたい方は、効果的な運用方法を解説した記事もご覧ください。

 

 

6.LP制作の費用課題をどう解決するか

費用が高いという課題に対しては、内製化という選択肢が有効です。

外注費用が高くなる理由

LP制作を外注する場合、デザイン、コーディング、修正対応の工数が費用に含まれます。
制作会社によって費用は異なりますが、一般的な相場は30万円から60万円程度です。

修正や変更のたびに追加費用が発生するため、運用コストも考慮する必要があります。
複数のLPを作る場合、費用が膨らむことも課題となります。

キャンペーンごとにLPが必要になる場合、年間で数百万円の費用がかかることもあります。

内製化という選択肢

近年、専門知識がなくてもLP制作ができるツールが登場しています。
ノーコードツールを使えば、広告代理店内でLP制作が可能になります。

外注費用を削減でき、修正や変更も即座に対応できる点が大きなメリットです。
クライアントからの急な変更要望にも、スピーディーに対応できる体制を構築できます。

制作会社とのやり取りに時間を取られることなく、社内で完結できるため、業務効率も向上します。

ノーコードツール「キュリア」の活用例

例えば、キュリアというノーコードツールを使えば、専門知識がなくても
誰でも簡単にスマートフォン向けのLPを作成できます。

クラウド型のサービスであるため、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでもLP制作や管理が可能です。

さらに、キュリアは作り放題であり、仕様変更にも即座に対応できるため、
キャンペーンやイベントの内容に応じて柔軟にLPを調整することができます。

これにより、外注費用を大幅に削減できるだけでなく、クライアントの要望にスピーディーに応えられる体制を構築できます。

また、キュリアにはQRコードの背景に好きな画像を入れられる「デザインQR」という機能もあり、
LPへの導線づくりにおいても、企業やブランドのイメージを反映した独自性のあるQRコードを作成できます。

デザインQRとは?では、オリジナリティのあるQRコードの作成方法や活用事例を詳しく紹介しています。
QRコードの背景に企業ロゴやキャンペーンビジュアルを設定することで、詐欺防止にもつながります。

通常のQRコードは誰でも作成できるため、悪意のある第三者が偽のQRコードを作成して詐欺行為を行うリスクがあります。

背景画像が設定されたデザインQRを使用することで、公式のQRコードであることが視覚的に判断でき、
ユーザーの安心感を高めることができます。

QRコードの効果測定方法についても、LPと連携させることで、より詳細なデータ分析が可能になります。

 

 

7.クライアントへの提案で使える説明の型

実際のクライアント提案で活用できる説明の型を紹介します。

LPの必要性を説明する順序

まず目的を確認することから始めます。
売上を上げたいのか、申し込みを増やしたいのか、資料請求を獲得したいのかによって、最適な手段は変わります。

目的達成のための手段としてLPが最適である理由を説明します。
WEBサイトやPDF、電子ブックでは達成できない理由を具体的に示すことが重要です。

「WEBサイトには他のページへのリンクが多数あるため、ユーザーの注意が分散してしまいます」
「PDFではボタンのクリック動線が作れず、行動分析もできません」

といった具体的な理由を伝えることで、納得を得やすくなります。

費用対効果を示す方法

LP経由での売上や申し込み件数を試算することで、投資対効果を可視化できます。

例えば、月間1000件の広告流入があり、LPのコンバージョン率が3パーセントの場合、
月間30件の申し込みが獲得できる計算になります。

一件あたりの顧客単価が10万円の場合、月間300万円の売上につながります。
LP制作費用が50万円だとしても、2か月で投資を回収できる計算です。

外注費用と内製化した場合の費用を比較することも有効です。

初回制作費用50万円、月々の修正費用10万円で外注する場合と、
ノーコードツールを使って内製化する場合の年間コストを比較すると、大きな差が生まれます。

長期的な視点でのコスト削減効果を提示することで、内製化の価値を伝えることができます。

過去の失敗を乗り越える説明

過去にLPで成果が出なかった経験があるクライアントには、失敗の原因を分析し、今回はどう改善するかを示すことが重要です。

例えば、前回は広告のターゲット設定が曖昧だったため、
LP自体は良くても流入するユーザーがミスマッチだった可能性があります。

今回は広告のターゲット設定を明確にし、LPのメッセージと一致させることで、成果を出せる体制を整えます。
公開後の改善プロセスを提案に含めることも重要です。

LPは作って終わりではなく、データを見ながら継続的に改善していくことで、コンバージョン率は向上します。

ABテストを実施し、どの要素が効果的かを検証しながら、最適なLPに育てていく計画を示すことで、
クライアントの不安を解消できます。

小規模なテストから始める選択肢を提示することも有効です。

いきなり大規模なLPを作るのではなく、まずは小さなテストを行い、
効果を確認してから本格的に展開するという提案も、リスクを抑えられるため受け入れられやすくなります。

スマートフォンでのデジタル抽選システムの選び方!企画やキャンペーンでの活用方法もでは、
LPと連携させることで効果的なキャンペーンを展開する方法を紹介しています。

 

 

8.まとめ

LPはWEBサイトやPDF、電子ブックとは目的が異なり、売上や申し込みといった具体的な行動を促すための専用ツールです。

クライアントが費用に納得しない背景には、LPの役割や必要性が正しく理解されていないことが多くあります。
目的の違いを明確に説明し、成果が出るLPの条件を示すことで、クライアントの理解を得やすくなります。

また、LP制作の費用課題については、ノーコードツールを活用した内製化という選択肢があります。

外注費用を削減しながら、スピーディーに対応できる体制を整えることで、クライアントの信頼を得られる提案が可能になります。
LPは作って終わりではなく、データを見ながら改善を続けることで、長期的な成果を生み出すツールです。

クライアントにLPの価値を正しく伝え、成果につながる提案を行うことで、広告代理店としての価値も高まっていくでしょう。