2025年5月16日

印刷業界の下請け構造を見直す時代へ──「直接取引」を増やすための具体的な一手とは？

1. はじめに

日本の印刷業界は、長年にわたって「下請け構造」の中でビジネスを展開してきました。
広告代理店や制作会社などを経由した受注が一般的であり、
多くの印刷会社は“請け負う”側として立場を築いてきた背景があります。

しかし近年、この構造の限界や歪みが表面化しています。
価格の主導権が持てない、納期や仕様の無理な変更に応じざるを得ない、
といった課題に直面する印刷会社が少なくありません。

本記事では、印刷業界の下請け構造の現状と課題、そして“直接取引”を増やすことで得られるメリットについて解説します。
さらに、直接取引を生み出す「仕組み」として注目されているノーコードツール「キュリア」もご紹介します。

2.印刷業界に根付く「下請け構造」とは

印刷業界においては、エンドクライアントからの依頼が広告代理店や制作会社を経由して印刷会社に届くことが一般的です。
この流れの中で、印刷会社はコスト競争にさらされ、提案の自由度も限られます。

もちろん、長年の信頼関係や安定した受注が確保できるというメリットもありますが、
価格決定権が持てず利益率が低い状態が続けば、事業の持続性にも影響を及ぼします。

「下請けだから悪い」というわけではなく、自社の価値を最大限に活かすためには、
もう一歩踏み込んだ営業戦略が求められます。

3.公正取引委員会も動いた業界の実情

2024年春、公正取引委員会がある印刷会社に対して「下請法違反」の勧告を出したというニュースが業界を揺るがせました。

この事例では、元請けの印刷会社が下請けのデザイン会社に対して無償での修正を約2万回も求めていたとされ、
再発防止を含む厳しい是正措置が求められました。

こうした出来事は、受注構造の中で「発注側の理不尽な要求」が常態化していた現状を浮き彫りにしています。
そしてこれは、印刷業界全体が直面する課題でもあるのです。

4.「下請け」も「元請け」も両方の立場だからこそ感じる責任

印刷会社は一方的に「下請け」の立場だけではありません。
社内で制作業務を外注する場合、自社が「発注側」になることもあります。

つまり、発注側としての倫理と、受注側としての立場を同時に経験しているのが印刷会社の特徴ともいえます。

だからこそ重要なのは、「適正な価格で発注する責任」と「適正な価格で請け負う勇気」の両立です。
このバランスが保てるような構造づくりを目指すことが、健全な業界の未来につながります。

5.直接取引を増やすメリットとは

●新規顧客の獲得が可能に

直接取引を通じて、これまで接点のなかった企業や店舗、団体と関係を築くことができます。
特にデジタルコンテンツをきっかけとした提案は、既存の営業とは異なる角度から新たな顧客を開拓できます。

●価格の主導権を握れる

代理店や中間業者を介さず、自社で価格設定ができるため、利益率を確保しやすくなります。
また、顧客の予算や目的に応じた柔軟な提案が可能になります。

●長期的な信頼関係の構築

デジタル施策を通じた顧客との関係性は、納品単位で終わらず、継続的なデータ共有や効果分析へと発展します。
それにより、より密度の高い関係構築が可能になります。

6.下請け構造から脱却するためのITツール「キュリア」

こうした直接取引の土台をつくるツールとして注目されているのが、
ノーコードでデジタルコンテンツを作成できる「キュリア」です。

■印刷物＋デジタルの組み合わせで“提案力”強化

名刺やチラシに、ガチャ・抽選・フォーム・LP・フォトフレームなどの
スマートフォン対応コンテンツを組み合わせることで、「紙だけでは伝えきれない体験型の販促」が可能になります。
キュリアなら、20種類のテンプレートから選んで簡単に作成できます。

関連記事：
LPの役割と効果的な構成について
Googleフォームでは実現できないオリジナルフォームの作成方法

■デザインQRで“見た目”も差別化

白黒のQRコードでは埋もれてしまう印刷物も、背景画像を入れた「デザインQR」ならインパクト抜群。
読み取り率も最大で約4倍に跳ね上がるという実績があります。

加えて、スキャンログの取得もできるため、キャンペーン後の振り返りや改善にも役立ちます。

■オリジナル性と提案力を同時に高められる

自社オリジナルの抽選イベントや、フォトフレーム付きの販促企画など、
他社と差別化できるアイデアがスムーズに実現可能です。

関連記事：
・フォトフレームを使ったイベント活用例
・バリアブルQRを使ったパーソナライズDM活用法
・スタンプラリーでの回遊促進施策

7.まとめ

印刷業界を取り巻く環境は、確実に変化しています。
価格競争や短納期に苦しむ「下請け」構造から抜け出すためには、
まず自社の強みを活かして「直接取引」を増やす努力が欠かせません。

そのためには、「新しい武器」を持つことが重要です。
ノーコードでスマートフォン向けの販促コンテンツを簡単に作れるキュリアは、まさにその一手です。

紙とデジタルを融合させた提案を武器に、価格ではなく“価値”で選ばれる印刷会社を目指しませんか？