回遊性を高めるイベント企画とは?人を動かす仕組みと成功事例を徹底解説
イベントやキャンペーンを企画する上で、「どうやって来場者を会場内で回遊させるか」は、集客と同じくらい重要なテーマです。
会場に来てもらえても、その場で足が止まり、特定の場所だけで滞在時間を終えてしまえば、
売上や参加者満足度の向上は望めません。
特に商業施設や観光地では、来場者が施設内を巡ってくれるかどうかで、経済的効果が大きく変わります。
回遊性を高める施策は、単なる移動の促進だけでなく、顧客体験を豊かにし、
地域や施設全体の魅力を引き上げる役割を持っています。
本記事では、商業施設、テーマパーク、住宅展示場、自治体イベントなど、
多様な現場で活用できる「回遊性を高めるイベント企画」について、具体的な施策や成功事例を交えて解説します。
さらに、施策を実施する際の注意点や効果測定の方法も取り上げます。
回遊性が高まると、来場者が会場内を移動しながら複数のスポットに立ち寄るため、滞在時間が自然と延びます。
滞在時間が延びることで、休憩や食事の機会も増え、結果として売上にも好影響を与えます。
例えば、商業施設でのイベントでは、滞在時間が平均30分延びるだけで、飲食や物販の売上が10〜20%向上するケースもあります。
複数の店舗やブースを訪問してもらうことで、1人あたりの消費額を引き上げる効果があります。
特に商業施設や物産展では、来場者が異なるジャンルの商品やサービスを体験することで、購買意欲が刺激されやすくなります。
複数のコンテンツを体験することで、イベント全体の満足度が向上します。
結果として、SNSでの拡散や次回イベントへの参加意欲の向上にもつながります。
また、「何度も行きたくなる理由」を作ることは、リピーター育成の観点でも重要です。
デジタルスタンプラリーは、紙のスタンプカードと異なり、スマートフォン上で完結できるため、
参加ハードルが低く、運営側のコストも削減できます。
参考記事:デジタルスタンプラリーとは?費用や紙との違いも解説
ポイント
・各スポットにQRコードを設置し、来場者が読み込むことでスタンプを獲得
・完走特典や抽選特典を用意して動機づけ
・コンテンツ同士を連動させて、次のスポットへの移動を促進
事例
ある自治体の観光イベントでは、地域内の観光地を巡るデジタルスタンプラリーを導入しました。
参加者は観光地ごとにスタンプを集め、5か所以上訪問すると特産品の抽選に応募できる仕組みです。
結果として、平均訪問スポット数が従来の1.8倍に増加しました。
デジタル抽選は、その場で結果がわかるため、参加者のワクワク感を高めます。
実施例
・商業施設での買い回りキャンペーン
→ 各店舗で一定額以上購入すると抽選QRコードを配布
・住宅展示場でのモデルハウス巡り企画
→ 3棟以上見学した来場者にガチャ挑戦権を付与
注意点
・景品は参加者層に合わせる(家族向けなら生活雑貨や食品、若年層ならデジタルギフト)
・抽選会場の混雑対策を事前に計画
オリジナルデザインのフォトフレームを用意し、来場者がスマートフォンで撮影した写真をSNSに投稿できる仕組みを作ります。
参考記事:スマートフォンで撮る写真に枠やキャラクターを入れられるフォトフレームとは?
メリット
・イベントの雰囲気を可視化しやすい
・SNS投稿を通じて二次的な集客効果が得られる
・地域キャラクターや期間限定デザインを組み合わせると参加率アップ
事例
ある水族館では、来場者が特定スポットでスマートフォンをかざすと、
館内限定のデジタルフォトフレームが利用できる仕組みを導入しました。
SNS投稿数は前年の2.5倍に増加し、若年層の来館が顕著に伸びました。
バリアブルQRは、1つひとつ異なる情報を埋め込めるため、参加者ごとに違う結果や特典を付与できます。
参考記事:バリアブルQR(可変QR)とは?DMや商業施設での活用方法
活用例
・商店街イベントで、各店舗の特典をQRコードで配布
・展示会で来場者ごとに異なるクーポンや情報を付与
導入のコツ
・不正利用防止機能をつける
・クーポン利用期限を短めに設定し、即時来店を促す
回遊性を高める企画は、実施後の効果測定が重要です。
QRコードの読み取り数、スタンプ取得数、抽選参加数などのデータをもとに次回施策を改善します。
参考記事:QRコードの効果測定方法
キュリアの活用ポイント
・QRコードのスキャン数や各コンテンツの利用数を自動集計
・企画ごとの効果をリアルタイムで可視化
・デザインQR機能でブランドに合わせたQRコードを作成可能
<企画の概要>
施策内容:東京都写真美術館にて「デジタルスタンプラリー」を実施。
制作期間:初回制作は6日間、その後修正を含め約1か月で完了。
運用体制:すでに第2期ページも作成済みで、第1期終了後は自動的に第2期へ遷移できる設計。
<結果>
・館内のカフェやショップを含め、施設全体を回遊してもらえる仕組みを構築。
・視覚的に親しみやすい「オリジナルキャラクター」のスタンプカードデザインを採用し、来館者の参加意欲を高めた。
・ハンディキャップを持つ方にも利用しやすいよう、テキストベース・音声読み上げ対応の設計を実現。
・実際のスタンプスポットは7か所だが、9枠で台紙をデザインし、余白が出ないようダミーイラストを活用。見栄えと体験の一体感を確保。
<工夫ポイント>
回遊促進:展示室だけでなく、カフェ・ショップにもスポットを配置し、施設全体の利用価値を高めた。
デザイン面:イラストレーターに依頼したキャラクターデザインを採用し、来館者にとって「集めたい」と思えるカードを制作。
アクセシビリティ配慮:音声読み上げ対応を含むテキスト設計で、多様な利用者層に対応。
体験設計:9枠設計により「コンプリート感」を演出しつつ、実スポット数との乖離はダミーイラストで自然に補完。
この事例の詳細はこちら
<企画の概要>
白山市内に点在する5つの城跡をめぐるデジタルスタンプラリーをキュリアで実施。
各城跡周辺の協賛施設にQRコードを設置し、訪問者が城跡を散策後に施設を利用する流れを作りました。
QRコードを読み込むと「御城印缶バッジ」や施設独自の特典が獲得でき、5ヶ所すべてを制覇すると抽選でパーフェクト賞が当たる仕組みです。
<工夫ポイント>
・デザインQRを各城跡の御城印デザインで出力し、参加者の満足度を高めた
・スタンプ取得ごとにクーポンページへリンクさせることで、スタンプ1個につきデジタル特典付与が可能に
・各城跡の解説ページも作成し、学習要素を加えて城好きの知識欲にも対応
・インストール不要・自由度の高いデザイン・ログ取得など、キュリアの強みを活用
<結果>
・企画開始から 1ヶ月で約600名が参加。
・協賛施設の売上や来客数が大きく向上。
・九谷焼ショップでは、来店者の約半数が 1,000円以上購入。
・道の駅では ソフトクリームの販売数が増加。
・飲食店や文化施設でも来客数が増加。
・条件付きのQRコード活用(例:「QR読み込み+1,000円以上購入で缶バッジ進呈」)が効果的に機能。
・県外からの来訪者も多く、イベントを通じて地域観光の広がりを実感。
<その他>
・制作期間は約1ヶ月半。
・デザイン自由度の高さにより、細部までカスタマイズが可能だった。
・「城跡+協賛施設」という導線づくりで、観光と地元消費を結びつけるモデルケースに。
・今後は取得ログを分析し、さらなる改善や継続的な誘客施策に活用予定。
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<企画の概要>
実施期間:2023年5月1日(月)~31日(水)
主催:大泉学園駅前6商店会
(井頭商店会/大泉学園駅南口商店会/学芸大前通り商店会/東大泉商栄会/東大泉仲町銀座商店街/ロードふじみ商店会)
内容
・牧野記念庭園や6つの商店会に合計7か所のスタンプスポットを設置。
・牧野記念庭園+任意の商店1か所のスタンプ取得で、その商店のサービスを利用可能。
・7か所すべてのスタンプを集めると、景品抽選に応募できる仕組み。
<結果>
参加者の成果
・抽選応募者数は 300人以上。
・7か所すべてを回遊した参加者が多数確認された。
効果測定
・チラシ13,000枚配布 → PV数約6,000。
・「紙媒体の効果測定が可能になった」ことにクライアントが驚きと喜びを表明。
参加者の声
・「普段行かない商店街に行けて良かった」
・「ぜひまたやってほしい」
・「デジタルで自由なタイミングで応募できて便利」
→ 従来の紙運用では得られなかったリアルな参加者の感想を可視化できた。
<その他>
・デジタル施策に不安を持つ声もあったが、打ち合わせで「紙よりも運用工数が少なく負担が軽い」点を丁寧に説明し、安心感を醸成。
・企画開始から実施まで 約1年をかけて調整。
・前回行ったデジタルスタンプラリーでの課題も踏まえつつ、関係者と協議を重ねて改善。
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外注に依存せず、検証→改善を高速で回せることが、成果の出やすさを左右します。
抽選→フォーム→クーポン→スタンプラリー……と、1本の導線に複数機能を無理なく接続できます。
企画の幅を、一気に広げられます。
現場で「ルールを一文変えたい」時に、数分で反映できることが運営ストレスを劇的に減らします。
デザインソフトで“それっぽい画像”を作っても、読み取り不能になるケースが多々あります。
当社の仕組みなら、読み取り精度を担保したままブランド性を表現できます。
抽選の結果固定、DMの個別計測など、現場で困りがちな要件にも標準で対応します。
※ツール比較観点や選定の詳細は「スマートフォンでのデジタル抽選システムの選び方」「デジタル抽選機レンタルの選び方」をご確認ください。
回遊性を高めるイベント企画は、
「滞在時間の延長」
「購買額の増加」
「満足度の向上」
という三拍子を揃えて実現します。
デジタルツールをうまく組み合わせれば、運営負担を減らしつつ、参加者に新しい体験を提供できます。
特に、「キュリア」のようなノーコード型スマートフォンコンテンツ作成ツールは、スタンプラリーや抽選、
フォトフレーム、バリアブルQRなどの施策を一元的に管理でき、外注コストを削減しながらスピーディーに運用できます。
次回のイベントでは、ぜひこれらの手法を取り入れて、来場者が自然と会場を巡る仕組みを作ってください。