今さら聞けないCookieの基本と代替手段|ファーストパーティCookie・SNSログイン・バリアブルQRとは?
インターネットを活用したマーケティングが主流となる現代において、「Cookie(クッキー)」は長年、
ユーザーの行動データを取得し、広告配信やサイト最適化を行うための重要な技術として利用されてきました。
特にデジタルマーケティングの現場では、Cookieを通じて得られる情報により、
個別のユーザーに合わせた広告表示や効果測定が可能となり、企業にとっても、
ユーザーにとっても利便性の高い仕組みが構築されてきました。
しかし近年、個人情報保護への関心が世界的に高まり、GDPR(欧州一般データ保護規則)や
CCPA(カリフォルニア州消費者プライバシー法)といった法律の制定・強化により、
Cookieの取り扱いに対する制限が強化されています。
さらに、GoogleChromeをはじめとする主要なインターネットブラウザも、
第三者によるCookieの利用(3rdPartyCookie)を段階的に制限・廃止する方向へと進んでおり、
Cookieに依存した従来のマーケティング手法は大きな転換期を迎えています。
このような背景から、広告代理店の企画担当者や、商業施設、観光協会、自治体などのプロモーションを担当する方々にとって、Cookieを使わない新たなデジタル施策の導入は急務となっています。
この記事では、Cookieの基本から最新の規制動向、Cookieに依存しない代替施策、
そしてスマートフォンを活用したユーザー体験型のマーケティング手法までを詳しく解説します。
Cookieレス時代においても成果を上げるために、どのようなアプローチが求められるのか。
デジタル技術と企画の力を融合させ、時代に適した集客・販促手法を模索する皆様の一助となれば幸いです。
Cookieとは、ウェブサイトを訪れたユーザーのブラウザに一時的に保存される小さなデータファイルのことです。
これにより、サイト側はユーザーの閲覧履歴や設定情報を記憶し、再訪問時にスムーズな操作を提供することが可能になります。
例えば、ECサイトで商品をカートに入れた状態を維持したり、ログイン状態を保持したりといった機能は、
Cookieの仕組みによって支えられています。
Cookieには主に「セッションCookie」と「パーシステントCookie」の2種類があります。
セッションCookieはブラウザを閉じると自動的に削除される一時的な情報であり、
パーシステントCookieは一定期間保存され、再訪問時にも情報が引き継がれる特徴を持ちます。
マーケティングの分野では、Cookieはユーザーの行動データを収集・解析するための重要なツールとして活用されています。
例えば、以下のような場面でCookieが利用されます。
・サイト訪問者の閲覧履歴をもとにした「リターゲティング広告」
・購入履歴や閲覧履歴に応じた「おすすめ商品の表示」
・サイト内のページ遷移データを元にした「ユーザー行動分析」
これらはすべて、ユーザーの利便性を向上させる一方で、
企業側にとっても広告効果の最大化やコンバージョン率の向上といった成果につながります。
しかしながら、このような行動追跡がユーザーのプライバシーを侵害していると感じる人も増えており、
Cookie利用に対する透明性と適切な運用が求められるようになっています。
次の章では、特に注目されている「1stPartyCookie」と「3rdPartyCookie」の違いと、それぞれの役割、
現在のブラウザ対応状況について詳しく解説します。
Cookieには、発行元のドメインによって分類される「1stPartyCookie(ファーストパーティークッキー)」と
「3rdPartyCookie(サードパーティークッキー)」の2種類があります。
1stPartyCookieは、ユーザーが訪問しているウェブサイト自体から発行されるCookieです。
主に、ユーザーのログイン状態やカート情報、サイト設定などの保存に使われており、ユーザーの利便性向上に寄与します。
一方で3rdPartyCookieは、訪問しているウェブサイトとは異なる第三者(例:広告配信会社)が発行するCookieで、
複数のウェブサイトにまたがってユーザーの行動を追跡し、パーソナライズ広告を配信する際に利用されます。
マーケティングにおいては、3rdPartyCookieが非常に重要な役割を果たしてきました。
例えば、ユーザーがある商品ページを閲覧した後、別のサイトでその商品広告を目にする「リターゲティング広告」は、3rdPartyCookieにより実現されているのです。
しかし、この3rdPartyCookieをめぐっては、ユーザーのプライバシー侵害を懸念する声が高まり、
ブラウザ各社が対応を進めています。
・Safari(Apple)は、すでに2017年から「IntelligentTrackingPrevention(ITP)」を導入し、3rdPartyCookieの使用を大幅に制限しています。
・Firefox(Mozilla)も、2019年から「EnhancedTrackingProtection(ETP)」を標準機能として搭載し、3rdPartyCookieをブロックしています。
・GoogleChromeは、最も多くのユーザーに利用されているブラウザですが、2025年中に3rdPartyCookieのサポートを完全終了する方針を明らかにしています。
このような背景から、Cookieに依存しないマーケティング手法への転換が急務となっているのです。
次章では、Cookieを使わずに、どのようにユーザーとの接点を築き、データを収集することができるのか。
その代替手段について解説していきます。
Cookieの利用に関しては、国内外で個人情報保護のための法整備が進んでいます。
特に欧州連合(EU)が施行している「GDPR(一般データ保護規則)」は、
全世界の企業に影響を与えるほど強力な規制として知られています。
GDPRでは、Cookieが個人を識別可能な情報であると認定される場合、
ユーザーの明確な同意を得なければならないと定められています。
これにより、欧州向けのウェブサイトでは、Cookieの使用に関する「同意バナー」や「設定画面」の設置が
義務付けられるようになりました。
日本においても、2022年4月に改正された個人情報保護法により、「個人関連情報」としてCookieの扱いが明確化され、
企業がCookieを活用して個人情報と結びつける場合には、ユーザーからの同意取得が求められるようになっています。
こうした法規制の強化は、企業にとっては運用の手間やリスクが増す一方で、
ユーザーにとっては安心してインターネットを利用できる環境が整備されつつあることを意味します。
法令対応の一環として、現在多くのウェブサイトで導入されているのが「クッキーバナー」です。
これは、サイト訪問時にCookieの使用について通知し、ユーザーの同意を得るためのポップアップ表示です。
しかし、このクッキーバナーを設置するだけでは十分とは言えません。
GDPRなどでは、「明確なオプトイン(事前選択制)」が求められており、
「全て許可」以外にも「一部許可」「拒否」の選択肢を用意しなければなりません。
加えて、収集したデータの使用目的や保存期間などを明確にし、
ユーザーがいつでも設定を変更できるようにしておく必要があります。
このように、Cookieの利用には高度な配慮が求められるようになった現在、
企業としては「Cookieに頼らず、ユーザーとの関係を構築する手法」を確立していく必要があります。
次章では、Cookieに依存しないマーケティング手法として注目されている「コンテンツ体験型データ収集」の具体例をご紹介します。
Cookieの規制が進む中で、企業が注目すべきは「ユーザーの自発的な行動を通じて情報を取得する」方法です。
これは、単なるアクセス解析やトラッキングとは異なり、ユーザー自身が能動的にコンテンツに参加することで
情報を提供するため、プライバシーの観点からも信頼性が高く、企業・ユーザー双方にとって有益な手法といえます。
例えば、イベントやキャンペーンでの抽選コンテンツやガチャ、スタンプラリーといった参加型コンテンツは、
参加時に氏名や年代、メールアドレスなどの情報を自然な形で取得できる有効な手段です。
「キュリア」は、こうした参加型のスマートフォンコンテンツをノーコードで簡単に作成できるツールです。
用意されているテンプレートは20種類以上あり、次のような体験型コンテンツを組み合わせて運用できます。
・抽選(ガチャ、ルーレット、スクラッチなど)
・デジタルスタンプラリー(施設回遊型イベント)
・クーポン配信(即時利用型の来店促進)
・フォトフレーム(撮影・SNS投稿促進)
・フォーム(アンケート、申込み)
・LP(特設ページで訴求)
このように、ユーザーが自らスマートフォンでコンテンツにアクセスし、参加しながら情報提供を行う仕組みは、
「エンゲージメント」と「データ収集」を同時に成立させるため、Cookieレス時代に最適な施策です。
Cookieが使えなくても、フォームやLP(ランディングページ)を活用すれば、
確実に一次情報(ファーストパーティデータ)を収集できます。
例えば、イベント申し込みやアンケート回答、プレゼント応募時などに設置されたフォームを通じて、
メールアドレス・性別・年代・興味関心などの情報を取得し、今後のマーケティング活動に活用できます。
Googleフォームのような無料ツールもありますが、企業ブランドに即したデザインや、QRコードとの連携、
分析機能を求める場合は「キュリア」のような専用フォーム作成ツールが有効です。
関連情報:フォームの活用方法10選、LPとは?効果的な構成やツール
収集したファーストパーティデータは、顧客管理システム(CRM)やデータマネジメントプラットフォーム(DMP)と
連携することで、より高度な分析や活用が可能になります。
例えば、イベント時に取得した属性情報をもとに、次回のキャンペーン案内をパーソナライズしたり、
購入履歴と連動したリピーター施策を展開したりといった応用が考えられます。
また、「キュリア」はファーストパーティCookieを利用しており、ユーザーの行動データ
(コンテンツの閲覧状況やアクセスログなど)を、自社ドメイン内で安全かつ合法的に取得することができます。
これにより、Cookie規制の影響を受けず、ユーザー体験の質を保ちながら、
施策の効果測定や再訪問者への対応などを実現可能です。
さらに、キュリアにはCookieを使用しない、より確実なデータ保存手段として「SNSログイン」機能も搭載されています。
SNSログインを利用することで、抽選への複数回参加を防止したり、高価な景品が当たる施策、
または実施期間が長いキャンペーンにおいても、安全にユーザー情報を管理することができます。
ログイン情報はキュリアのサーバーに保存されるため、ユーザーの端末やブラウザ環境に依存せず、
アクセス状況や操作ミスによって抽選結果が消失するリスクもありません。
同様に、バリアブルQRコードを活用することでも、ユーザーごとに一意のQRコードを発行し、
どのタイミングで誰がアクセスしたかを正確に記録することができます。
こちらもサーバー上にログが保存されるため、セキュリティ性とトラッキング精度が高く、
イベントや施策全体の効果測定に活用できます。
このように、「キュリア」ではCookieと併用しつつ、より高度なユーザー管理や安全性を求める場面に応じた
複数の手段を用意しています。
ユーザー体験と情報管理の両立を可能にする柔軟な設計が、Cookieレス時代のマーケティングに最適な選択肢となります。
デジタルマーケティングにおいて、スマートフォンは欠かせない接点となっています。
とりわけ、現地来場型イベントや観光地・商業施設でのプロモーションでは、
スマートフォンを活用したコンテンツ施策が主流となりつつあります。
Cookieの代替手段として、スマートフォンを通じて直接取得したファーストパーティデータを活用することで、
より高いエンゲージメントと精度の高いデータ分析が可能になります。
スマートフォンを活用したプロモーションには、以下のような利点があります。
・利用者の参加ハードルが低く、誰でも簡単にアクセスできる
・GPSやカメラ、通知などの機能と連動した施策が展開できる
・オフラインとオンラインをつなぐ役割を果たせる
例えば、商業施設内で実施されるスタンプラリーでは、紙ではなくスマートフォンを活用することで、
ユーザーがどの順番で回遊し、どの施設でどれくらい滞在しているかをデータとして取得できます。
関連情報:デジタルスタンプラリーとは?
また、抽選コンテンツと連動させることで、来場者への特典提供や来店動機の強化も図れます。
関連情報:デジタル福引で集客アップ!、デジタルガチャとは?
こうしたスマートフォン施策を簡単に実現できるのが、ノーコードツール「キュリア」です。
キュリアは以下の特徴を備えた、マーケティング企画者の強い味方となるクラウド型サービスです。
・スマートフォン専用の20種類以上のコンテンツテンプレートを提供
・抽選、スタンプラリー、クーポン、フォトフレーム、フォーム、LPなどを簡単に作成可能
・コンテンツ同士の連携による多角的なエンゲージメント施策が可能
・作成・運用がすべてクラウド上で完結し、修正や仕様変更にも即時対応
・背景画像を自由に設定できる「デザインQR」により、視覚的な差別化とセキュリティ強化を両立
・バリアブルQRとの連携により、読み取りログを個別に取得し、行動分析に活用可能
これにより、Cookieに頼らずとも、ユーザーとのタッチポイントを多様に設け、
確実にデータを取得・活用できる環境を整えることができます。
Cookieはこれまで、ユーザーの行動を可視化し、マーケティング施策の最適化に大きく貢献してきました。
しかし、プライバシー保護の潮流と各国の法整備、主要ブラウザの規制強化により、
従来のCookie中心のマーケティングは終焉を迎えようとしています。
これからの時代に求められるのは、ユーザーに信頼されるデータ収集と、それを支える価値ある体験の提供です。
そのためには、Cookieに依存せず、ユーザーが自ら情報を提供したくなるような
「参加型コンテンツ」や「体験設計」が重要になります。
スタンプラリーや抽選、ガチャ、フォトフレーム、フォームなどのデジタル施策は、その中心的な存在です。
特に、ノーコードツール「キュリア」を活用すれば、こうした施策を誰でも簡単に
スマートフォン上で作成・運用することができます。
さらに、デザインQRやバリアブルQRのような高度な機能を使えば、
Cookieがなくても行動ログの収集や施策の効果測定が可能となり、競合と差別化されたマーケティングが実現できます。
Cookieレス時代は、単なる「代替手段を探すフェーズ」ではありません。
むしろ、ユーザーとの関係を再構築し、信頼に基づいたマーケティングへと進化させるチャンスでもあります。
今後のプロモーション企画においては、「個人情報の取り扱いに配慮しながらも成果につなげる施策」を実現できるかどうかが、
成功の鍵となります。
企画担当者の皆さまにとって、本記事が新たなデジタル施策を考える一助となれば幸いです。